コラム

なぜ子供たちは『プロゲーマー』を目指すのか。

2020年3月23日

eスポーツという単語を聞いたことがるなら、プロゲーマーという職業も聞いたことがあるだろう。

自らのゲームプレイに価値を生み、所属するチームやスポンサーから給料をもらい、生活する。

ゲームの大会に出場し、見事な成績を残せば、誰だってチャンスを掴むことが出来るこの職業は、ソニー生命保険株式会社が公開した「中高生が思い描く将来についての意識調査2019」において男子中学生の将来なりたい職業の2位にランクインしている。

参考:ソニー生命「中高生が思い描く将来についての意識調査2019」

しかしながら、ゲーム依存は子どもたちを育てる親や教育者から危険視されており、香川県に続き秋田県でもゲームの規制条約が制定されようとしているのが現状だ。

多くの大人たちから批判を受けながらも、なぜ子どもたちはこの「プロ」という存在になりたがるのだろうか。

それは、若者の不安が抱えきれないほどに膨大化しているからだ。




身近だからこそ夢がある。

レコチョクとMMD研究所が共同で実施した「音楽とゲーム機に関する調査」には、小学生のゲーム所有率60.7%、中学生73.8%、10代後半になるとスマホ所有率は94.3%にも及ぶ。

参考:BCN+R「小中学生のゲーム機所有率、スマホより高く」

eスポーツに用いられるゲームタイトルはゲーム機やパソコンで行うものが多い印象が持たれているが、モンスターストライクスタジアムやクラッシュロワイヤルなど、数多くのスマホを持っているだけで無料で始められるモバイルゲームも存在している。

つまり、10代の9割以上が今すぐにでもプロゲーマーを目指せるチャンスがあるということだ。

プロアスリートという括りになれば、その大半が大人であるというイメージがあるが、プロeスポーツプレイヤーの中には"小学生"という若さでその仲間入りを果たした選手だっている。

これは話題作りと思われるかも知れないが、ゲームの中には反射神経が求められるジャンルも多くあり、業界内では「25歳がプロゲーマーとして活躍できる寿命」だと言われている界隈すらある。

eスポーツという世界で活躍する選手には、若い世代が多くいるからこそ小中学生が夢を抱きやすいのだろう。

若者がプロゲーマーにならねばならぬ理由。

この「夢を抱きやすい」という点においては、プラスの印象を思い浮かべやすいかもしれない。

しかし、私はマイナス、ネガティブな印象も多くあると考えている。

昔から、若者が将来に不安感を感じていることは変わらない。
受験や就職というものが、人生において大きな壁になることは間違いない。

参考:URBAN HOUSING SCIENCES「若者たちのこころに潜む不安の正体」

センター試験も廃止され、来年、これから受験生になろうとしている高校生の不安の声は、ニュースや討論番組を見ていても聞こえてくる。

けれど、今の世の中において、SNSやYouTubeといった場所で活躍する10代も増えており、プロゲーマーもその一部だろう。

勿論ドラマで活躍する子役や様々な芸術の観点から見ても、若年層が活躍するケースは今に始まったことではないのだけれど、インターネットの発達により、これまでとは比にならないほどの「才能」が数え切れないほどに増えている。

場合によっては小学校を卒業していないのにも関わらず、サラリーマンや学校で勉強を教えてもらっている教師よりも多くの額を稼ぐ者も現れた。

自分の活躍の場所が年齢や立場によって遮られていないということの証明は素晴らしいものなのだけれど、同時に多くの若者の存在意義をも煽っているようにすら見えてしまう。

そういった同年代の成功から、自分も年齢を言い訳にできず、「プロゲーマーにならねばならない」と考える若者も少なくないのではないだろうか。

日本におけるeスポーツのあり方。

このように、eスポーツには期待や熱狂というもの以外にも、多くの不安や焦りも纏っているように感じられる。

時にはプロゲーマーという存在が、多くの子供達に夢を与えると同時に、残酷な現実をも突きつけてしまうことも多くあると考える。

そういった見えない未来に恐怖心を抱き、その原因も分からないまま、現実逃避や夢という曖昧なものに縋り付いてゲームに依存してしまう。

子どもたちが道を踏み外さないように、県が立ち上がって条例を作ってくれるのは、本当は感謝せねばならないことだと思う。

参考:毎日新聞「「ゲームは1日60分」香川県議会が全国初の規制条例制定へ 反発も相次ぐ」

ただなぜこの条例が必要なのか、そしてどのような科学的根拠があって1時間という短い時間に制限してしまうのか、肝心である若者にきちんと説明できているのか不明確な点が多くある。

不安も生み、されど若者を救うのもeスポーツ。
健康面や安全に配慮しながら、これからの未来を担う若者の居場所になってほしいと願っている。

【執筆者】

よろず
eスポーツに関するコラムをnoteにて執筆中。4月から新大学一年生の18歳。noteのフォロワー数は6800人以上 累計150000PVの実績をもつ。
https://note.com/yoro2u

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